伝説の青きプリマドンナに魅せられて。Ⅳ
第3章 ブリジッタとアルプスの真珠。(前編) 翌朝、車掌がコンパートメントの扉をノックする音で目を覚ました。どうやら間も無くJeseniceに到着するらしい。窓の外には朝靄が広がり、その奥に真っ赤な太陽が顔を覗かせていた。
列車は定刻でPostaja Jeseniceに到着した。プラットホームに降り立つと牽引機はSŽのTaurusへとバトンタッチしており、寝台車もÖBBのNJ客車が途中で解結されてクロアチア客車のみのコンパクトな編成になっていた。そのコンパクトな客車に似合わず、牽引機がTaurus三重連というのは余りにも過剰に思えたが、きっと送り込み回送も兼ねているのだろう。
一晩お世話になった寝台の発車を見送り、薄暗い駅構内で時間を潰してNova Goricaへと向かう気動車に乗り込む。Jeseniceからの道中、列車は渓流に沿って走り、車窓には風光明媚な景色が広がる。ローカル線を走る車内ではただひたすらにゆったりとした時間が流れて行った。
Jesenice to Nova Gorica このまま数分の遅れを持って終着のNova Goricaへ到着すると思われたが、途中で車掌がやって来て「途中からバス代行だから列車を降りてバスに乗り換えてね」と。
他の乗客と一緒になって途中で下車し、どうしてバス代行なのか訳も分からぬままバスに乗せられた。渓流に沿ったカーブの多い道でもお構いなく攻める大型バスの地元走りを見せつけられたが、無事にPostaja Nova Goricaに到着した。
Nova Goricaからはレンタカーを借りてKoperを目指し南へと向かう。イタリアとスロベニアとの国境を行ったり来たりしながら市街地を抜けると、車窓にはブドウ畑と赤レンガ造りの家々が流れる。何とも地中海に面した南ヨーロッパらしい景色だった。
途中のスーパーで食料を買い込み、友人のナビで事前に下調べした撮影地へと向かう。やがて舗装されていない小径へと進んでゆき、視界が開けた場所で車を停めると、眼前には息を飲むほどの絶景が広がっていた。
切り立った岩肌には石灰岩が剥き出しになり、その下の断崖絶壁を縫うように二条のレールが敷かれている。スロベニアの首都Ljubljanaと唯一の貿易港であるKoperを結ぶこの路線は正にスロベニアの物流輸送の生命線と言うわけだ。
崖っぷちに三脚を据えてのんびりとピク…
列車は定刻でPostaja Jeseniceに到着した。プラットホームに降り立つと牽引機はSŽのTaurusへとバトンタッチしており、寝台車もÖBBのNJ客車が途中で解結されてクロアチア客車のみのコンパクトな編成になっていた。そのコンパクトな客車に似合わず、牽引機がTaurus三重連というのは余りにも過剰に思えたが、きっと送り込み回送も兼ねているのだろう。
一晩お世話になった寝台の発車を見送り、薄暗い駅構内で時間を潰してNova Goricaへと向かう気動車に乗り込む。Jeseniceからの道中、列車は渓流に沿って走り、車窓には風光明媚な景色が広がる。ローカル線を走る車内ではただひたすらにゆったりとした時間が流れて行った。
Jesenice to Nova Gorica このまま数分の遅れを持って終着のNova Goricaへ到着すると思われたが、途中で車掌がやって来て「途中からバス代行だから列車を降りてバスに乗り換えてね」と。
他の乗客と一緒になって途中で下車し、どうしてバス代行なのか訳も分からぬままバスに乗せられた。渓流に沿ったカーブの多い道でもお構いなく攻める大型バスの地元走りを見せつけられたが、無事にPostaja Nova Goricaに到着した。
Nova Goricaからはレンタカーを借りてKoperを目指し南へと向かう。イタリアとスロベニアとの国境を行ったり来たりしながら市街地を抜けると、車窓にはブドウ畑と赤レンガ造りの家々が流れる。何とも地中海に面した南ヨーロッパらしい景色だった。
途中のスーパーで食料を買い込み、友人のナビで事前に下調べした撮影地へと向かう。やがて舗装されていない小径へと進んでゆき、視界が開けた場所で車を停めると、眼前には息を飲むほどの絶景が広がっていた。
切り立った岩肌には石灰岩が剥き出しになり、その下の断崖絶壁を縫うように二条のレールが敷かれている。スロベニアの首都Ljubljanaと唯一の貿易港であるKoperを結ぶこの路線は正にスロベニアの物流輸送の生命線と言うわけだ。
崖っぷちに三脚を据えてのんびりとピク…